寒い日には地直し

冬の寒い日にはアイロン仕事がはかどります。アイロンをかけていると部屋全体がポカポカしてきて暖かくなります。

先日、大切な反物の地のしをしました。
大好きなHandweaver Magneticpole 「秩父太織」(ちちぶふとり)の地機の反物です。
とうとう自分の秩父太織の着物を縫えることになりました!

秩父太織の着物
「地直し」の工程 秩父太織の反物

お仕立て前の反物はアイロンをかけて「地直し」(じなおし・じのし)をします。
「地直し」の目的は(1)地の目を整える、(2)地詰めをする、の2つです。

(1)地の目を整える
布は縦糸と横糸が交わって織られています。この縦糸と横糸ができるだけ直角に交わるように整えます。地の目が歪んだままだと綺麗に仕立て上りません。

(2)地詰めをする
布は時間の経過で少しづつ詰まって(縮んで)いくものが多いです。仕立て上がってから大きく詰まると寸法が小さくなってしまったり、表地と裏地の釣り合いが悪くなってしまいます。これを防ぐため、仕立てる前に布を詰まらせておきます。スチームアイロンも使いますが、風合いを損なわないように注意します。

秩父太織の反物は目が詰んでいて湯通しもしっかりされてるので、地直しをしてもほとんど全く詰まりませんでした。
仕立てるのが楽しみです。
お客様のお仕立ての合間に仕立てるので少しずつになりますが、お仕立ての工程をブログにアップしていきたいと思います。

秩父太織 Handweaver Magneticpole
http://magneticpole.jp/

振袖の思い出

浦安市の成人式は隣の夢の国で開かれることで有名ですね。
(私の時はまだ浦安市の文化会館で行われていました、、、今の子が羨ましいです!)

私の振袖は姉と共用でしたが、姉はあまり着物に興味がなかったので私の好みで選ばせてもらいました。母が呉服屋さんに連れて行ってくれて、沢山の振袖の中から1枚を選んだドキドキと嬉しさは今でも覚えています。

その振袖は姉が成人式と結納などで2〜3回着て、私が成人式と親戚の結婚式などで2〜3回着ました。その後、姪っ子が十三参りの時に着てくれました。十三参りのときは、肩揚げと袖を引きずらないように袖の揚げをして着せました。

十三参り。ちょっとだけ肩上げ

次の出番は姪っ子の成人式になるでしょうか。
別の振袖も準備するかもしれませんが、この振袖もまた袖を通してもらえたら良いなと思っています。

両親が姉と私に誂えてくれた振袖。
大切にしようと思います。

お母様などの振袖の寸法を直したり仕立て直しをしてお召しになりたい方はぜひご相談いただけたら嬉しいです。

また、振袖は1度着たら次に着るまでに期間が空くことが多いですので、しばらくぶりに見てみたらシミが出てしまっていた!ということもありえます。

着物のお手入れのご相談は西新宿の「そろり庵 きものなおし」様がおすすめです。親切丁寧なお仕事で、いつも感謝しています。

そろり庵 きものなおし
https://www.solorian.com/

納品前の検針は大切な作業です

着物は衣服なので、衣食住にいう食べ物や住まいと同じように、まず安全であるようにと心がけています。

針は小さくても刃物です。万一お仕立て物に残っていたら大変な事です。
そのため、お客様にお渡しする前に必ず検針機にかけて残針がないかチェックしています。針先がほんの少しだけ折れて残ってしまっている可能性もあるからです。

検針機は2台あります。

1台目は卓上型です。三つ折りに畳んだ着物でもしっかり検知します。

卓上検針機
SANKO 卓上検針器
「はりけん」

二台目はハンディータイプです。
卓上型の検針器にかけて残針ありのブザーが鳴るけれど、どこにあるか見つけられない時に使います。また、出先で針仕事をするときに持ち歩くのにも便利です。

SANKO ハンデイタイプ検針器

ちなみに私は待針には縫針を使っています。
縫い針は針の頭に飾りがついていないので、万が一袷着物の中に残針があるときにも縫い目を解かないで取り除くことができます。

もちろん、針をきちんと数えて残針をしないことが一番大切なことです。