日本刺繍のお稽古に行ってきました

「羽子板」お正月飾りにぴったりでお気に入り

趣味で日本刺繍を習っています。
いつか自分の着物にちょこっと刺繍をするのが夢です。
先日、本年初のお稽古に行ってきました。

和裁も日本刺繍も針仕事なのですが、全然勝手が違います。
日本刺繍では運針しませんし(笑)
使う道具や糸も違うので面白いです。

例えば針ですが、下の画像の左の針が日本刺繍の針で右側が和裁の針です。
和裁の針の方が長いです。

日本刺繍と和裁の針
左が日本刺繍の針
右が和裁の針(4の3)

糸も違います。日本刺繍で使う糸は釜糸(かまいと)と言って撚りがない糸です。
必要に応じて自分で撚り合わせて使います。
撚り合わせ具合で風合いが変わるのがとっても楽しいです。

日本刺繍はとても時間と手間がかかります。そこがいいところです。
今は半襟を刺繍しているのですが、のんびり楽しみながら進めたいと思います。

中とじ糸のこと

背縫いの中とじ「背とじ」をしているところ

袷の着物を縫う手順は、まず袖を作り、表身頃を縫い、裏身頃を縫います(「素縫い」(すぬい)と言います)。
素縫いが終わったら、袖と、表身頃と裏身頃を綴じ合せて合体させます(「まとめ」と言います)。
「まとめ」のときに使う中とじ糸は、昔は「しろも」という木綿のしつけ糸を使うことが多かったようです。

しろもの画像
「しろも」しつけ糸や糸印として使ってます

この「しろも」は長い間着物を保管したときに、着物にカビなどによるシミが出る原因の一つである可能性があると言われています。
着物の保管状態の問題や糸と着物地の相性もあるので一概に原因であるとは決めつけられないですが、実際に中とじ糸のところからシミが出てしまっている着物を見たことがあります。

昔は現代とは異なり、中とじ糸がカビたりする前に着物を洗い張りなどして仕立て直していたためか、あまり気にならなかったのかもしれませんね。

タンポポ和裁では、できるだけ着物がシミになる可能性を少なくするため、いわゆる生成り色の「しろも」では無く、真っ白なカタン糸40番を中とじ糸に使っています。

40番のカタン糸

けれど、もしかしたら木綿糸ではなく絹糸を中とじ糸にすれば、着物がシミになる可能性をさらに下げられるのではないか?
素縫いに使っている絹手縫い糸を使うことも考えたのですが、絹手縫い糸はツルツルしているため、表身頃と裏身頃をなじませて適度に滑らないようにとじるのが難しいように思います。
そう思いまして、中とじ糸にふさわしい絹糸を探しているところです。

今度試してみようと思っているのが、絹小町糸です。
絹小町糸は絹の手縫い糸の一種ですが、くず繭を紡績してつくるので少しけば立っています。良さそうだったら、またブログでご紹介します!

→「中とじ糸のこと その2」はこちら

タキイ製のアイロン

タキイのアイロンは適度に重くて使いやすいです

和裁で使う昔ながらのアイロンです。
スイッチが無く、コンセントの抜き差しで温度を調節する鉄の塊のような重いアイロンです。

私は修行先でコテではなくアイロンを主に使って仕立てていたので、今でもアイロンの方が使いやすいです(コテも時々使います!)。

小林アイロンも持ってはいますが、タキイ製のアイロンが私はお気に入りです。
コテ釜と同様にアイロンも手に入りづらくなってしまったので、大切に使っています。