ラジオで和裁講座!?

戦前のラヂオテキスト「和服裁縫」「裁縫」

今や動画の時代で和裁の動画も沢山ありますが、今から約90年前の1930年代には何とラジオで和裁講座が放送されていたようです。

ちなみに日本でラジオ放送が始まったのは1925年(大正14年)だそうです。その後1953年(昭和28年)にはテレビの本放送が始まりました。

下の写真は太平洋戦争が始まる前の1933年(昭和8年)、東京中央放送局第二放送(現在のNHK)のテキストです。
テキストがあると言っても、どんなふうに音声で裁ち方や縫い方を説明していたのでしょう?
みんな着物を着て縫ってが当たり前の時代だったから、実際にやって見せなくても伝わった部分が多かったのでしょうね。

私はラジオが好きなので、もし今ラジオ和裁講座があったらどんな感じだろうと想像するとワクワクします。

一体いつ頃からいつ頃までラジオで和裁講座が放送されていたのか、音源が残っていたらぜひ聞いてみたいものです。

中とじ糸のこと(その2)

「絹小町糸」は絹の手縫い糸の一種ですが、くず繭を紡績してつくるので少しけば立っています

先日、自分の袷着物の中とじ糸が黄色く変色して胴裏までシミになってしまっていることを発見しました…

以前ブログで書きましたように木綿の中とじ糸のところからシミになってしまうことは良くあります(原因が木綿の中とじ糸だと断定できるわけではありません)。
(以前のブログ→「中とじ糸のことhttps://tanpopo-wasai.jp/tools/350/

あまりお目にかける様なものではないのですが、以下の様なシミです。
ちなみに2008年頃に呉服屋さんで仕立ててもらった着物です。仕立ててからもう12年も経っていたのだとビックリしました。仕立てはとっても綺麗でお気に入りです。

衿の中とじ糸が変色して裏衿までシミになっています

衿くけをほどいて中を見ると以下のようにかなり中とじ糸が変色していました。

変色した木綿の中とじ糸

本来であれば胴裏までシミが出ているので全部解いて洗い張りをして仕立て直すのがベストですが、中とじ糸として使えるか試してみたい「絹小町糸」が手に入ったところだったので変色した中とじ糸だけ取り替えてみました。

「絹小町糸」で中とじしてみたところ

胴裏のシミは消えませんが、応急処置としてすっきりしました。
手に入れた「絹小町糸」が中とじ糸としてふさわしいかどうか、もう少し自分の着物などで試してみようと思います。

絹手縫い糸200色セット

都羽根 絹手縫糸200色セット

着物を縫う時、絹は絹手縫い糸で縫います。
最近は町の手芸屋さんもすっかり少なくなってしまいました。
やっと手芸屋さんを見つけてもミシン糸やポリエステル・木綿糸はあっても絹の手縫い糸を扱っているお店はなかなかありません。

遠くの町まで探しに行くのは大変なので、色見本を手元においてインターネットで購入することが多いです。

都羽根 絹手縫い糸 見本帳

今回1色1個ずつですが思い切って200色購入してみました。しばらくは糸選びで悩むことが少なくなると思います。
見ているだけでもとても綺麗ですし、嬉しいです。

タンポポ(蒲公英)色の絹手縫い糸